記念すべき「本棚」の1冊目。
ここには、これまで私が読んで感動した、感銘を受けた本と、これから出合って感動した本。そして人に伝えたくなってしまう本のことを書いていきたいと思います。基本的に、持っているものについては、よりみちハウス2階の本棚に溜めていきます。

…なんということ! はじめに書こうとした『ミレニアム』の1と2がもりのきもち文庫からなくなっていました! 間違いなく、私が誰かに、これ、面白いよーと言って貸したのでしょう。いやあ、でも、小説貸す人って誰かなあ。Kちゃん? Uさんには貸してないと思うけどなー。
貸した本は散逸してしまう、は本のお約束です。仕方がない。読んでもらったなら、その本も報われる。読まれず放っておかれたなら残念。その場合は、なるべく返してください。

よりみち文庫も、ノートを作って貸し出しをしようと思う。40~50年前の小学校のようなやり方がよいと思う。まったくIT化されてないやつ。
その本が本当にその人や子のためになって、手放したくない位だったら、あげてもいいです。もちろん申し出てもらえれば。研究書とか入手しにくいものは考えさせていただく。

それで。『ミレニアム』なのだが、読んだのは、新聞の書評の特集欄みたいなところで、北欧のミステリーが面白いぜ、という記事が出ていたのがきっかけだった。作者のスティーグ・ラーソンはスウェーデンの人、1954年生まれ。2002年からミレニアム・シリーズを執筆したが、2004年の11月に心筋梗塞で亡くなってしまった。作品が世界的に大ヒットしたのは死後のこと。

何がいいって、主人公は一応ミカエル・ブルムクヴィストという雑誌の編集者なのだが、事件の中心に絡むフリーの調査員、リスベット・サランデルがいいのである。最高にかっこいい女。コンピューターハッカー。各所に侵入してみたり、襲ってきたオヤジを痛めつけてみたり。自分自身もダークなことをやりながら、本当の巨悪に立ち向かう。

リスベットの動きはパキパキしており、私も、さささっと動いたり、メッセンジャーで高速でチャットをしたりしていると、ちょっとリスベットっぽいじゃん、と思ったりする。体型が違いすぎるので、自分以外、そうは思う人はいないと思いますが。

スティーグ・ラーソンは、スウェーデン通信でグラフィック・デザイナーとして20年間働き、英国の反ファシズムの雑誌『サーチライト』に長く寄稿。1995年、人道主義的な政治雑誌『EXPO』を創刊、編集長を務めた(早川書房の著者紹介より)。当然のことながら、ミカエルはラーソン自身の経験や価値をもとに作りだされた作中人物であろう。おもしろくならないわけがない。

こんなに面白い小説を書きながら。この人はなんと、1日60本もタバコを吸っていた。そうするとどうなるか。心筋梗塞で死ぬことになります。3部で終わった『ミレニアム』、本当は第4部の草稿が残されていたそう。悔しい。読みたかった。

作家のみなさんには、ぜひとも禁煙、せめて減煙をお勧めしたいと思います。

H30.6.18